あまり知られていない屋久島の美渓。源頭部の美しさは屋久島随一。
小楊子川 花之江河沢 遡行記録
2022/4/30 日帰り 2級
ようやくやってきた晴れ周期という事で、1本目は比較的易しめの花之江河沢へ。
この沢は下降の記録はそこそこあるが、遡行している記録は極端に少ない。
遡行するとなると小楊子川右股を登ってくるか、沢を下降するか…とにかくアプローチが大変だからだろう。
今回は1本上流の黒味岳北沢を下降してアプローチすることにした。
長い行程になりそうなので早朝4時発。まだ真っ暗な登山道を進む。
明るくなってきた所で、ちょうど周囲が開けて雲海が見えた。最高の天気だ!
暗い中出発したのに登山者が結構いることに驚きつつ、花之江河に到着。黒味岳方面へ向かう。
黒味岳と投石岳のコルから尾根を乗越して沢下降開始。
途中猛烈な藪に襲われた箇所以外は特に困難な部分は無かった。
黒味岳北沢を下る。滝という滝は無く、ゴーロが続く感じ。巨岩も少なく体に優しい。
時折、とても美しい瀞が出てくる。
目の前に大きいナメが見えると、小楊子川右俣の上部に合流。
ここから花之江河沢を目指して更に下るが…
目の前で同行者がすっころび、指を脱臼してしまった!
明らかに指が変な角度に曲がっていて痛そうに見えたが、当の本人はヘラヘラしている。
場所的に引き返した方が早く登山道に出られるので、引き返そうと提案しようと思ったが…
なんと自分で指を元の角度に戻してしまった!
色々と大丈夫か心配だったが、本人が大丈夫と言うので下降を続けることにした。
ナメは一瞬で、それ以降はゴーロになる。
ようやく花之江河沢出合に到着するが、出合は平凡。この先に素晴らしい景色が待って…いるのか?
花之江河沢に入り、いくつか滝を越えると巨岩が積み重なった滝が現れる。
巻きかと思ったが、中央の灌木帯から簡単に登ることができた。
滝上は巨岩が沢床を埋め尽くしており、奥には大きめの滝もあるようだ。難しい登攀が出てこない事を祈る。
巨岩を越えて滝に近づく。
この沢最大の20mくらいの滝で、水量が多く迫力満点だ。
左岸から容易に巻くことができた。
滝上に出てからも、巨岩とゴーロが延々と続く。
たまに綺麗な滝も出て来るが、とにかく単調な区間が長い…
徐々にゴーロが減ってきてナメが広がり始める。
いよいよ源頭部の天国のナメに着いたようだ!
ガスっているのが残念だが、それでも美しい!
晴れていたら、更にどれほど素晴らしい景色なのだろうか。
大小の岩が計算されたかのように配置されており、日本庭園のようだ。
小さなゴルジュも出て来るが、容易に巻くことができた。ゴルジュを過ぎると再びナメになる。
淀川やビャクシン沢も良かったが、花之江河沢は群を抜いて美しい!
次第にボサってきて見所が終わる。
登山道まで猛烈な藪漕ぎを覚悟していたが、どうやら人が入っているらしく厄介な藪が刈られている!
有難く刈り払いされた場所を進むと、藪漕ぎ0で花之江河の湿原に飛び出した。
朝来た登山道を戻って淀川登山口へ下山した。
感想
花之江河沢は源頭部がとても美しかった!屋久島の沢の中でもトップクラスだと思う。
とは言え源頭部以外は単調なゴーロや巨岩なので、やはり上部だけ楽しむ形が良いのかもしれない。
今度は天気の良い日を狙って、本領を発揮した花之江河沢に再訪したい。
コースタイム
淀川登山口4:20―コル6:10ー黒味岳北沢出合7:30―花之江河沢出合9:30―登山道12:40―淀川登山口14:20
装備
フェルトソール靴、30mロープ