【沢登り初心者向け】沢登りに必要なクライミングギアを解説!

この記事では沢登りに必要なクライミングギアについて解説します。
これから始めたいけど、何をどう選んだら良いか分からない方向けに、必要なギアと各ギアの種類を分かりやすく説明します。

目次

沢登りに必要なクライミングギアとは?

沢登りを始めるにあたって用意した方が良いクライミングギアの一覧です。
連れて行ってもらうことを前提として、ロープやプロテクションなどは省いています。
また、ヘルメットとハーネスについては、別記事にて詳しく解説しています。

【必ず揃えるもの】
・カラビナ
・スリング
・ビレイデバイス
ヘルメット(別記事)
ハーネス(別記事)

【出来れば揃えておくと良いもの】
・クイックドロー
・アッセンダー

カラビナ

一言でカラビナと言っても様々なタイプがあり、目的によって使い分けることが重要です。
カラビナの形状・ゲートの種類・ノーズの種類とそれぞれの用途を紹介します。

カラビナの形状

現在主流のカラビナの形状は大きく分けて3種類です。

【変形D型】
最も汎用性の高い形状です。
特別な用途でなければ、基本的にこの形状を選ぶと良いです。

【HMS型】
洋ナシ形とも呼ばれています。
カーブが緩くロープの流れが良いため、ムンターヒッチのビレイやビレイデバイスと併用して使われます。

【オーバル型】
上下対称の形状です。
主にアッセンダーやプーリーなどを使う際に使用します。

※【D型】変形D型の登場前によく使われていた形状ですが、今はほぼ見かけません。

ゲートの種類

ゲートの種類は大きく分けて5種類です。形状やロック機能の有無に違いがあります。

【ストレートゲート】
ゲートが真っ直ぐなタイプです。
昔からあるベーシックな形状で、一番安価。

【ベントゲート】
ゲートを曲げることで、ロープをクリップしやすくしているタイプです。
ロープを通す向きを間違えると、ゲートが開きやすく危険です。
支点側にも使えないので注意しましょう。

【ワイヤーゲート】
ゲートにスプリングワイヤーを使ったタイプです。
非常に軽量なのが特徴です。
ノーズに引っかかりのないものを選ぶと快適です。

【スクリューロック】
ロック機能(安全環)付きカラビナです。
ネジを回す要領でクルクル回してゲートを閉じるタイプです。ゲートの閉め忘れに注意が必要です。

【オートロック】
閉める時に自動的にロックがかかるタイプです。
スピーディーにロックがかけられるのが特徴です。
完全に閉まったかどうかの確認はしっかりしましょう。

ノーズの形状

ノーズの形状にはキーロック式とピンロック式の2種類があります。
キーロック式はノーズ先端の引っかかりが無いので、ロープやスリングの出し入れがしやすいのが特徴です。
ピンロック式はワイヤーゲートに多いのですが、ノーズの先が尖っていてロープやスリングが高頻度で引っかかり、中々ストレスです。

沢登りでの主な用途

普通のカラビナはスリングやその他ギア類を携帯する際など、様々な用途で活躍します。
持っていくスリングの本数などに合わせて、必要な分を購入しましょう。

環付きカラビナは主に下降器用(ビレイデバイス用)、セルフビレイ用として使います。
そのため、最低2枚は必要です。操作がしやすいように、大き目のものを選ぶと良いでしょう。

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スリング

スリングとは輪っか状にしたロープやテープのことを指します。
素材や形状などに違いがあるので、それぞれの特徴を紹介します。

種類

スリングには大きく分けて以下の3種類があります。

【ソウンスリング】
テープがあらかじめ輪っか状に縫われて販売されているものです。太さ、長さ、素材に関係無く、市販されている物には22KNの強度があります。

【ロープスリング】
切り売りのロープをお好みの長さにカットして作るスリングです。
一部メーカーからはあらかじめ輪っかになった状態で販売されている物もあります。

【テープスリング】
切り売りのテープをお好みの長さにカットして作るスリングです。

素材

スリングの素材は大きく分けて以下の3種類があります。

【ナイロン】
最もオーソドックスな素材です。
熱に強くしなやかで、結び目を作った際の強度低下が少ないのが特徴です。
水を吸って重くなるのと、濡れると強度が落ちてしまうので、一般的には沢登りには不向きです。

【ダイニーマ】
沢登りで使うならこちらがオススメ。
素材自体が高強度で、細く作ることが出来るため軽量です。水を吸いにくく、濡れても重くなりにくいです。
一方で熱に弱く、結び目を作ると大幅に強度が落ちるので、扱いにはある程度注意が必要です。

【ケブラー】
強度と耐熱性を併せ持っているのが特徴ですが、結び目を作ることにより強度が大幅に下がります。
まだ一般的ではないのか、あまり見かけません。

長さ

市販されているスリングの長さは60cm・120cm・180cm・240cm辺りが一般的です。
初心者は60cm・120cm辺りを使うことが多いです。

沢登りでの用途

セルフビレイ、支点作成、お助けヒモなど様々な場面で使用します。
特に初心者は自分の体と支点を繋ぐ、セルフビレイ用のコードとして使うことが多いです。
ロープスリングはフリクションノットを使用した登攀や懸垂下降のバックアップ、登り返し等に使います。

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その他

また予算が許すのであれば、上記スリングに加えてPAS(パーソナルアンカーシステム)と呼ばれる、セルフビレイ用のコードを買っておくと便利です。
カラビナを使って長さを自在に調節できます。

ビレイデバイス

ビレイデバイスは安全確保に必要な道具です。
出来るだけシンプルで扱いやすく、故障のリスクが少ないモデルを選びましょう!

種類

ビレイデバイスは大きく分けるとチューブタイプとブレーキアシスト機能付きタイプがあります。
沢登りではオールラウンドに使えるチューブタイプのフォロー確保機能付きタイプがオススメです。

ブレーキアシスト機能付きのビレイデバイスはフリークライミング向きかつ、懸垂下降にも不向きなので沢登りにはあまり適しません。

用途

登攀時の確保、懸垂下降で使用します。

クイックドロー

左がアルパイン用、右がフリークライミング用

クイックドロー(ヌンチャク)とは2枚のカラビナをスリングで繋げたもののことです。
初心者のうちは使用機会が少ないと思いますが、積極的に滝を登攀するような沢に行く時に必要になります。

種類

クイックドローにはカラビナと専用のスリングがセットになったフリークライミング用と、自分でスリングとカラビナを買って作るアルパイン用の2種類があります。

沢登りでは長さの調節が出来るアルパイン用のクイックドローが使いやすいです。
フリークライミング用は長さの調節が出来ないので、直線的ではないルート取りが多い沢登りには不向きです。

アルパイン用のクイックドローはカラビナ×2と60cmのスリング×1を組み合わせて作ることが多いです。
使用するカラビナは軽量なワイヤーゲートがおすすめです!
使うスリングも予算が許す限り出来るだけ軽い物(細い物)を選びましょう。

用途

ビレイ支点作成時や中間支点として使います。

アッセンダー

アッセンダーとは登高器のことで、ロープにアッセンダーを取り付けることで一方向にしか動かなくなります。

種類

アッセンダーには取っ手が付いているタイプと取っ手が付いていないタイプの2種類があります。
沢登りでは取っ手の付いていないタイプで、出来るだけシンプルなモデルを選ぶのがベストです。
代表的なモデルだとペツルのタイブロック、コングのダックなどがあります。
使用するロープ径に対応しているものにしましょう。

用途

固定したロープを登る時に使います。
一方向にしか動かないため、万が一墜落しても止まってくれます。
フリクションノットでも代用できますが、アッセンダーの方が操作性が良いです。

最後に

沢登りには意外と必要なものが多いですよね。
この記事がギアを選ぶ際の参考になれば幸いです!

※実際に沢登りに行く際は、ガイドやリーダーの指示に従って必要な装備を揃えるようにしてください。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

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